家事や育児をしながらでも起業を実現している、女性起業家が増えています。ハンドメイドやWEBデザインなどの自分の得意分野で起業している女性や、行政書士や税理士などの資格を要する職種で独立している女性など、多くの女性が起業して活躍する時代になっています。

今回は、起業に興味のある女性や女性起業家を目指している人に向け、起業前に知っておくべきことや事前準備のポイントをご紹介します。

 

起業前に知っておくと役に立つこと7つ

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女性が起業するにあたって知っておくべきことを7つご紹介します。

 

⒈ 資格を保有していると有利な仕事は、資格を取得しておく

ご自身の経歴・職歴や得意な分野などがあると思いますが、資格を保有しておくと有利な職種で起業する場合は起業前に取得しておきましょう。もちろん資格がなくても独立することは可能ですが、専門的な知識やスキルを必要とする仕事であればあるほど、資格を保有していることが起業後の成功にも関わってきます。

特に、行政書士や公認会計士、司法書士や宅地建物取引士(宅建)などの国家資格は、起業前に取得しておきたいですね。美容師、理容師、調理師も独立に役立つ国家資格です。
 

⒉ 小さく始めること、段階を踏んで起業することもできる

起業をするにあたって、人を雇ったり、場所を借りたり、備品や設備を購入したりするといった投資が必要となります。しかし、万が一事業がうまくいかなかった場合、投資した金額が多ければ多いほど、損失も大きくなってしまうでしょう。

そのため、リスクを最小限に抑えるために事業を小さく始める「プチ起業」をおすすめします。特に女性は家事や育児などもしなければいけないため、まずは小さく始めてノウハウを積み重ね、そこから段階的に事業を大きくしていくことで成功へ繋がる可能性が高くなります。
 

⒊ 共同設立者や共同経営者と共同起業することもできる

一人で起業すると、全ての決定権は自分にあるため、責任も自分一人で負わなければいけません。また、それまで雇用される側だった立場から、起業していきなり経営者という立場に変わると、経営のノウハウがないため路頭に迷ってしまうことも。

そのようなことに不安を感じている場合は、共同起業(共同経営)という形を選択するのも一つの方法です。お互いに得意分野をカバーし合うことで相乗効果が生まれますし、何か困難があった時でも一緒に相談しあって決められる仲間がいることは心強いです。
 

⒋ 「女性」を強みにすることができる

ビジネスに男女の垣根がなくなってきているとは言え、女性ならではの視点や考え方は男性には真似できないものです。また、育児で子どもと多くの時間を過ごしたり、家事で料理や裁縫をしたりすることは、女性ならではのライフスタイルでもありますよね。女性が起業する場合、そのような「女性」という部分を強みにしたビジネス展開をすることも可能なのです。
 

⒌ 「女性」が弱みになることも残念ながらある

だからと言って、必ずしも「女性」という側面が強みになるとは限りません。まだまだビジネスの世界は男性主体であり、男性的な経営判断が必要とされる場面も多くあります。営業をかけたときに「女性だから」という理由で断られる可能性もゼロではありません。

また、育児や介護などの合間に仕事をしたいという人の場合、一日のスケジュールの中に仕事の時間をうまく組み込まなければ、仕事の時間を確保できなかったり、家庭に仕事を持ち込んだりしてしまう危険性もあります。
 

⒍ 家族の理解を得て、ライフイベントやライフプランとうまく調整する

男性の起業で多い失敗として、起業前に配偶者や双方の両親などの理解を得ておかないことで、仕事に時間を割きすぎて後から家族トラブルになってしまうということがあります。女性の起業の際も同じで、家族トラブルにならないためにも事前に周囲に理解を得ておきましょう。

また、起業の準備や起業後数年間は忙しいことが予想できます。結婚式などの準備が忙しいライフイベントや、妊娠や出産直後などの安静にしたほうがいいライフプランとは、できるだけ起業のタイミングが重ならない方がスムーズに進むでしょう。
 

⒎ 助成金やサポートなど、活用できるものを活用する

起業するために投資が必要な事業の場合、投資資金が必要となります。更に、事業が軌道に乗るまでは運転資金もやりくりしなければいけません。そのような資金が不足していて起業を躊躇している場合は、助成金や補助金の活用も検討してみましょう。

また、女性の起業家を支援するサポート制度もあります。具体的には、個別相談やセミナー、資金支援などです。住んでいる自治体が運営しているもの、民間企業のもの、銀行や信用金庫が運営しているものなどがあるので、活用してみてくださいね。

 

起業準備でまず必要な3つの準備

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次に、起業準備で必要となる3つのことについて紹介します。

 

⒈ 事業計画書やビジネスプラン

起業にあたって事業計画書を作成しておく人は少ないと言われています。しかし、事前にビジネスプランを練って事業計画書をきちんと作成していれば、起業の目的や自分の得意なことを再確認できるだけでなく、市場・競合他社や戦略などを客観的に見ることもできるのです。

また、売上の計画(予想)や資金運用のスケジュールなどを数年単位で考えることで、起業後のプランも明確になります。更に、事業計画書は助成金・補助金や銀行融資の申請の際にも必要となる書類なので、必ず作成しておきましょう。
 

⒉ 資金

開業資金や運転資金などの事業資金の用意も必要です。株式会社を設立する場合、設立費用や実印作成、登記簿謄本発行などで30万円弱のお金が最初の段階で必要となります。更に、起業するにあたってパソコンや携帯電話などの備品を揃えなければいけませんし、人を雇ったり場所を借りたりするのには継続してお金がかかります。このような資金をコツコツと貯金しておかなければ、起業するのは難しくなってしまいます。

先ほど紹介したように助成金制度もありますが、基本的には計画実施後の支給なので入金は後からになるため、やはり事前に資金を確保または調達しておく必要があります。
 

⒊ 設立する会社や企業規模に合わせた準備

「株式会社」か「合同会社」か「個人事業主」か、どのような形態で起業するかによって、準備することが異なってきます。資金面だけでなく手続きや作成書類なども異なるため、注意して進めましょう。また、どのような形態でも屋号や名刺などは必要となります。

 

まとめ

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起業は難しいと考えている方も多いかもしれませんが、事前に知っておくべきことや準備のポイントを押さえておくことで、スムーズに起業することができます。自分が輝ける働き方として「起業」を選択した女性たちが、この記事を参考にし目標を実現していただけたら嬉しいです。