履歴書は自分自身の経歴を一目でわかるようにするために必要な書類です。特に資格の書き方で悩まれる方は多いのではないでしょうか。資格は転職に有利に働くことがほとんどですが、資格を持っているからといって何でも書けば良いというものでもありません。履歴書において有効な資格とそうでない資格があることをきちんと知っておきましょう。この記事では、履歴書での資格の書き方を細かいところまでご紹介します。
履歴書における資格の書き方のポイント
書く順番
資格は取得年月日の順に書くのが基本です。履歴書に書く上でも有効な資格やそうでない資格、仕事に役立つ資格やアピールのための資格など、資格の優先順位は様々ですが、履歴書に記載するときにそこは気にしなくても構いません。あくまで取得した年月日ですので、誤って受験した日を記載したりしないように注意しましょう。
資格をたくさん持っている場合は?
優先すべき資格のみを書くようにしましょう。具体的には、「国家資格」「語学資格」「普通自動車免許」「パソコンスキルの認定資格」の4つです。
国家資格
一般的に取得できる資格の中でも、かなりの効力を持つ資格です。職業にかかわらず記載しておくのが良いでしょう。記載するときは「○○試験合格」「○○免許取得」という表記がベストです。複数の級を持っているときは、一番上の級を記載しましょう。
語学資格
TOEICやTOEFLをはじめとする語学資格は、企業に歓迎される資格のひとつです。気をつけておきたいのは、点数や級によっては却って語学力の低さを主張してしまうことがあるということです。英検や漢検の3級などは、中学生くらいのレベルだと思われてしまいます。TOEICやTOEFLは企業によっては基準点を設けているところがあるので、事前にきちんと確認しておきましょう。企業の基準点より低い場合は、記載すると不利になってしまいます。
普通自動車免許
普段から車を運転しているか否かにかかわらず、記載しておくとプラスに働く資格です。実際に業務に関係がなくとも記載しておくと良いでしょう。今後のキャリアに活かせる可能性もあります。
パソコンスキルの認定スキル
IT化が著しい昨今では、ほとんどの企業でパソコンの基本スキルが求められます。仕事に関係なく、ある程度のパソコンスキルは持っているという人は多いでしょう。自分がどのようなスキルを持っていて、どの程度パソコンを扱うことができるのか、が測りやすいパソコンスキルの資格を記載しておくことで、企業にわかりやすくアピールすることができます。
勉強中のものは書いていい?
書いても問題ありません。「現在資格取得に向けて勉強中」と記載すると良いでしょう。向上心があるというアピールにもなります。ただし、本当は資格を取得する予定がない、実際には勉強をする気がないのに虚偽の記載をしてはいけません。
「取得」と「合格」の使い分けは?
免許証・免許状などが交付されるものを「取得」、合格証明書や認定書が発行されるものを「合格」と記載します。
「取得」と記載するものは、主に自動車免許や医師免許などの「免許」と名のつく資格、TOEICなどの点数も「取得」と記載します。
例)
令和◯年◯月 普通自動車第一種運転免許 取得
令和◯年◯月 TOEIC公開テスト 800点取得
「合格」と記載するのは、検定試験や認定試験で合格して得られる資格に使います。認定試験で認定証が得られる場合は「認定」と記載しても大丈夫です。
例)
令和◯年◯月 日本漢字検定試験 2級合格
資格は正式名称で書く
普段「英検」「簿記」と名称を簡略化してしまいがちですが、資格は正式名称で記載しましょう。「普通自動車免許」も「普通自動車第一種運転免許」と書くのが基本です。「簿記」も「日本商工会議所簿記検定」が正式な名称となるので、記載するときは気をつけましょう。
その他、書き方のポイント
記載する資格は、応募する仕事に関連のある資格であると尚良いです。この資格を得られるだけのスキルを持っているということが企業に伝わりやすく、効果的にアピールすることができます。何も資格を持っていないときは、素直に「特になし」と記載しましょう。
また、たとえ業務に関係なくてもユニークな資格を持っていれば、記載してみるのも良いかもしれません。人気の資格ばかり書いていると、人事担当者としては見慣れた資格ばかりで印象に残りにくいということもあります。一風変わった資格を書いておくことで、印象に残りやすくするのもひとつの手です。
資格の書き方一覧
ここでは、履歴書に書かれることの多い、よく取得している資格や、短縮形で使われがちな資格の正式名称と、履歴書での書き方をご紹介します。
漢検
正式名称は「日本漢字能力検定」です。10〜1級まで12段階に分かれているので、「日本漢字能力検定 2級合格」と記載します。
英検
正式名称は「実用英語技能検定」です。5〜1級まで7つのレベルに分けられていますが、3級だと中学レベル、準2級・2級は高校生レベルとされています。
珠算
「日本商工会議所珠算能力検定」あるいは「全国珠算教育連盟珠算検定」が正式名称です。検定試験の主催によって名称が異なるので注意しましょう。「段」「級」と名前も異なります。
秘書検定
正式名称は「秘書技能検定」です。3〜1級までの4つの級があります。
簿記
「日本商工会議所簿記検定」が正式名称となります。初級〜1級までの4種類で、「日本商工会議所簿記検定 2級合格」という書き方になります。
初級シスアド
「初級システムアドミニストレータ試験」が正式名称となります。2009年に試験は廃止されましたが、れっきとした国家資格です。後身として「ITパスポート試験」があります。
宅建
正式名称は「宅地建物取引士」となりますが、履歴書への記載は資格取得後の手続きによって変わるので注意が必要です。合格したあと資格登録する前であれば「宅地建物取引士試験合格」、資格登録したあとでようやく「宅地建物取引士登録」と記載することができます。
普通自動車免許
正式名称は「普通自動車第一種運転免許」です。自動車免許と一口に言っても「普通自動車第二種免許」「大型自動車免許」と種類が多く、扱える内容も違ってくるのできちんと記載しましょう。記載するときは「普通自動車第一種運転免許 取得」と表記します。
FP
「ファイナンシャル・プランニング技能検定」が正式名称となります。1級〜3級まであり、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級合格」と記載するのが良いでしょう。
まとめ
履歴書に記載する経歴は豊かなものであれば良いですが、企業が見ているのはそこだけではありません。経歴をきちんと正しく記載しているか、わかりやすく書いているか、という点に人柄を見出しています。正しい書き方で、履歴書でも自分をしっかりアピールして転職に役立てましょう。