「専業主婦は女性の夢」などといわれた時代がありましたが、現代では結婚や出産後も仕事をする女性が増えてきています。夫婦で何らかの仕事をしているいわゆる共働き夫婦にとって、家事分担はしばしばトラブルになりがちです。女性がほとんどの家事を担ういわゆるワンオペ家事である家庭も多いためです。今回は、家事分担についてお伝えしていきます。
 

家事の分担の実態

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ワンオペ育児、ワンオペ家事という言葉を聞いたことがあるかもしれません。ワンオペ家事というのは、家事分担について、妻ばかりが背負う状態を指しています。「男は外で働き、女は家庭を守る」などという言葉がありました。現在はどのようになっているのでしょうか。
 

内閣府の調査結果

内閣府が実施している満足度調査をみていきましょう。「平成21年度 インターネット等による少子化施策の点検・評価のための利用者意向調査 最終報告書」においては、夫婦の家事・育児分担についての満足度に関する調査結果が出ています。それによりますと、男性は全体の約8割、女性は約6割と大きな差が出ています。

年代別にみていくと、男性はどの年代でも約8割の満足度と割合に差がみられません。しかし、女性の場合は、30代と40代では不満度が4割と20代と比較して差がみられます。これは、育児の負担が増えてきているためと推察できます。

次に、子どもの有無でみていくと、男性の場合は子どもなしと小学生以上では約8割に対して、未就学児の場合は約7割6分で少々低くなっています。

他方、女性の場合、子どもなしでは約7割に対して、未就学児と小学生以上では約5割と大きな差が出ています。

この結果をみると、子どもがいる場合、家事だけではなく育児が増えること、育児に伴う家事量が増えることが満足度を下げていると推察できます。

おそらく、未就学児がいる場合に男性の満足度が低い結果は、家事負担をしなければならないから、という結果が出ているのではないかと思われます。

未就学児の子どもがいることで、家事分担の不満がストレスになっているのでしょうか。また、それは日本だけなのでしょうか。他の調査結果をみていきましょう。

参考:https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/research/cyousa21/net_riyousha/html/2_4_5.html
 

男女共同参画白書における「6歳未満の子供を持つ夫婦の家事・育児関連時間(1日当たり、国際比較)」

「平成30年度 男女共同参画白書」には、「6歳未満の子供を持つ夫婦の家事・育児関連時間(1日当たり、国際比較)」という調査結果が公表されています。これは、諸外国での男女の育児や育児関連の事柄にかけている1日あたりの時間を表しています。

これによりますと、日本の男性は諸外国と比較して合計1時間23分と1時間以上少なくなっています。多くの国の約半分の時間になっているほどです。

この結果に対して、女性の場合、合計7時間34分と、男性と比べ圧倒的な時間の差になっています。他の国の結果はだいたい5時間半から6時間程度です。1時間半あれば、自由な自分の時間を持つこともできるため、日本の女性が育児疲れで毎日つらいという気持ちをよく理解できる結果となっています。
 

社会状況の変化も影響

どうしてこのような結果になっているのでしょうか。日本では少し前、専業主婦が女の幸せという考えがありました。いわゆる「男は外で稼ぎ、女は家を守る」という言葉です。そして、こうした状況で育てられた男女がちょうど成長して大人になっています。しかし、現代では女性も社会と関わるのがよいとされてきており、仕事を続ける人が増えています。

さらに、年功序列制度が崩れてきているため、働いていれば上昇していった給与も期待できなくなってしまいました。したがって、夫婦で働かなければならない状況に変わってきているため、女性が専業主婦でいるのが当たり前ではなくなってきたのです。

こうしたことから、男女の意識が変わらないうちに社会情勢が変わってしまい、女性が家事や育児を担ったまま仕事をしなければならないといった、女性の負担だけが大きくなってしまっているのです。

参考:http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h30/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-03-08.html
 

共働き家庭でうまく家事分担をする方法

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そもそも、男女で暮らしていくために、諸外国では「自分のことは自分でする」という観念は当たり前にあります。異性は一人前のパートナーであり、母親の代わりではないからです。しかし、こうしたパートナーに母親像を求める日本人男性は多く存在しています。そのため、いかに男性に家事分担をしてもらうかが鍵になってきます。
 

家事を洗い出す

まずは、毎日どのような家事が必要なのか一覧として洗い出してみましょう。一覧にするとしなければならない作業が男性にも把握できるようになります。まるで仕事のようにしてしまうのです。そう、実は家事も仕事のひとつだと諸外国では考えられています。家にいるため目に見えず、収入があるわけでもないため、軽視されがちですが、外注すればとてつもないお金がかかるのです。

一覧にした家事を夫婦で分担していきましょう。その際には、得意分野やできることなどを中心にしてくと継続しやすいでしょう。家事分担表を作成し、夫婦で共有します。アプリなどでチェックリストを作成する方法を用いてもよいですね。

毎日することはテンプレート化、いわゆる仕事のルーチンワークとしてしまうと、夫婦で分担しやすくなります。
 

相手に完璧を求めない

どうしても男性は適当に家事や育児をしがちですが、それを責めるのは逆効果です。そして、できていない、不十分だからといって代わりに家事をしてしまうのもダメだといわれています。男性のプライドを傷つけてしまったり、喧嘩のもとになってしまったりするためです。
 

自分に完璧を求めない

家事に終わりがないといわれているほどです。どんなに時間を費やしても満足できないといわれています。それは、専業主婦が家事をやり過ぎてしまい、大変なストレスになってしまうという問題もあるほどです。共働きの場合、どうしてもできることが少なくなってしまいます。ある程度、毎日の生活ができれば問題ないと割り切ってしまい、家事をしていくことをおすすめします。
 

外注できること・機械導入できることを取り入れる

時間をかければこなせる家事も、働いていれば満足にすることができないことも多いでしょう。また、家事をするくらいならば睡眠時間に充てたいとも思うかもしれません。そのため、例えば食器洗い乾燥機や乾燥機付き洗濯機を導入するなどして乗り切ることも必要でしょう。
 

お互いに納得できるようにする

女性がほとんどの家事を担っており、男性に家事負担を求めるとき、男性側は旧来の観念から反発しがちです。しかし、女性のつらさをきちんと伝えて、少しずつ負担を求めるようにしていくようにするのがおすすめでしょう。とにかく夫婦がお互いに納得できないとストレスになってしまいます。

特に結婚を考えて同棲しているカップルの場合、結婚するとそのままスライドしがちです。尽くしたいという女性もいますが、将来的に家事分担を考えているならば、同棲中からきちんと分担していくことが重要になります。
 

専業主婦(主夫)家庭でうまく家事分担をする方法

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夫婦の一方が専業主婦(主夫)の場合、どうしても家事をすべて担ってしまいがちです。しかし、基本的には「自分のことは自分でしてもらう」という姿勢を持っておくことが大切ではないでしょうか。パートナーは子どもではありません。子どもでも自分ですることを親ができなければ、子どもへの影響もよくないためです。
 

家事を洗い出す

専業の場合も毎日の家事内容を洗い出してみましょう。そして、できそうなところをやってもらいましょう。出勤前にゴミ出しなど毎日の生活で簡単に取り入れられる作業はあります。こうした作業をしてもらうだけでも家事の負担感は減っていくでしょう。
 

自分のことは自分でしてもらう

家事一覧表の中で、家事には該当しない、パートナーの世話になっているところは自分でやってもらうようにしましょう。たとえば、本人が脱ぎ散らかした衣服を片付けたり、洗濯したりせず、そのままにしておくのです。してしまえば、やってもらえる、と思われてしまいます。もちろんこれは子どもへのしつけも同様になっています。
 

納得してもらう

夫婦の一方が専業の場合、どうしても稼ぐ側が強くなりがちです。しかし、家事をしてくれる人がいなければ生活できないのは事実であり、夫婦は同等と考えるようにしましょう。そのため、納得してもらいながら、家事分担をしていくことが肝要です。
 

まとめ

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旧来の固定観念が日本の男女を呪縛しているといえます。しかし、さらに前は家族全員で農作業をしていたのです。そのため、家事でも農作業でも家族で分担していたことを今後取り入れてけばよいと考えるようにするのもいいかもしれません。一緒に住む家で行われる家事は住む人たちが分担する姿が正しく、どちらかに偏りすぎないようにしたいですね。