生理休暇は同性から見てもズルいと思われてしまうため、つい取得を躊躇してしまいがちです。

しかし、生理中の症状はそれぞれで異なり、寝込んでしまう女性も少なくありません。

この機会に生理休暇についてきちんと理解しておきませんか?
 

生理休暇の知識

そもそも生理休暇とはどのような権利なのでしょうか。
 

生理休暇とは?

生理休暇とは、女性が生理中に仕事をするのが困難、そもそも出勤も厳しいというときに、会社を休むことのできる労働者の権利になります。

労働者の権利というのは、きちんと労働法で定められているからです。労働基本法には、生理日の就業が著しく困難なときに、女性が会社に休暇を請求した場合、会社は就業させてはならないと定めている規定があるのです。

これは、女性の母体保護の趣旨からできた規定になっています。生理休暇以外の労働者の権利として、女性の身体を守るために深夜労働や炭鉱の禁止などいくつか制限があるのです。

なお、海外では生理休暇の制度はありません。なぜでしょうか。

それは、海外の場合は、病休と日本でいうところの病気休暇と同じに捉えられているためです。現代社会において、生理前の体調不良などはPMSと総称され、医学的な処置などがされています。海外においては、同じように生理中の不調は医学的に解決されるものだから、休むのも当たり前という意識からのようです。

他方、日本においては、簡単に薬を飲むのを避ける意識からか、医学的な処置は避けられてきました。こうしたことから、病気ではない、イコール生理休暇という別の休暇になったのです。また、日本では誰かが生理になったら同じ仲間が助ければよい、という意味合いも強かったといいます。

しかし、会社に対しては休むことを認めてほしいと女性労働運動で主張されたのです。こうした社会的な風潮によって、生理休暇が権利として認められるようになりました。そのため生理休暇は日本独自の制度となったのです。
 

生理休暇の取得方法

生理休暇の取得方法は、各会社によって異なります。これは、有給休暇の取得方法などと同様、手続きについては各会社が独自に定めることができるからです。

そのため、現在勤務している会社についての生理休暇の取得方法は、担当者に確認する必要があります。近年、勤怠管理については、ウェブで実施している会社が多くなってきていますので、勤怠管理システムで行うかもしれません。

宮崎県教育委員会(http://himuka.miyazaki-c.ed.jp/kyousyokuin/kyuukaseido/guidance.pdf の16ページ)では、生理休暇について、2日までは認められますが、2日を超えた場合は年次休暇や傷病休暇を取るように定めています。

取得条件としては、「生理日において、腹痛、腰痛、頭痛、不快等のため、勤務に従事することが極度に困難である場合」に取得することが認められ、期間は「その都度必要と認める日」となっています。

午後早退する場合でも1日の生理休暇としてカウントされるようです。

特に手続きについての明記はありませんので、他の休暇と同様、申請書を上司に提出する方法だと推測されます。また、医師の診断書などの提出は求められていないようです。
 

生理休暇が取得できる雇用形態

生理休暇は、正社員だけに取れる権利だと思いがちですが、そんなことはありません。

正社員といういわゆる正規雇用の社員だけでなく、契約社員やパート・アルバイト社員などいわゆる非正規雇用の社員についても適用される権利です。そのため、正社員でなくても取ることができます。
 

生理休暇は有給休暇?無給休暇?

生理休暇をズルいという声もありますが、欠勤扱い、いわゆる無給でも問題ないとされています。

そのため、単純に病気で休むのと変わりません。賃金を減らしたくないという場合には、有給休暇を取得するしかありません。もっとも、これは会社によって異なります。各会社が定める規定で、年間○日までの生理休暇を有給として取ることができるのを定めることもできます。

その他、他の労働者間での不平等を解消するような福利厚生制度として定めることもできるのです。会社の制度によって異なりますので、毎月の生理が重くつらいという方は、生理休暇が充実している会社を転職の選択基準とするのもおすすめです。

また、人事担当者でこれから生理休暇の制度を新しくする、充実するという場合には、労働者間の不平等という心理を解消する制度設計や労働者が取得する際に躊躇しないようにするという点をみるのもよいかもしれません。

生理だということを知られたくない、他の人からズルいと思われたくないから生理休暇を取りたいけれど休めない、生理休暇を悪用している人がいるからズルいなどいう声が大きいのも生理休暇の特徴といえましょう。

生理休暇を取得すると欠勤扱いになり、ボーナスの査定や昇給昇格に悪影響になってしまうと思われがちですが、この生理休暇の欠勤で査定などの算定をしてはいけないという裁判例もあります。
 

生理休暇の取得率

iStock-1016737662
毎年ではありませんが、定期的に厚労省から生理休暇の取得状況についての調査がなされ、公表されています。直近の調査結果はどのようなものになっているのかみていきましょう。

厚労省「平成27年雇用均等機会調査の結果」によりますと、平成26年の1年間に生理休暇を請求した者は、女性労働者の0.9%という大変低い結果になっていました。

事業所の割合としては、一度でも請求した労働者がいた事業所は2.2%となっていたのです。なお、平成19年度は5.5%という結果だったため、率としては落ちているということになるのです。

参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-23c.html
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-27-03.pdf

なぜこのような結果になったのでしょうか。

もちろん約10年の間に女性の社会進出は大きくなってきており、正規労働者としては就業する、育休などを取って仕事を続けるという女性も増えてきています。そのため、責任があるから休めないという状況から生理休暇を取らないのかもしれません。

他方、正規雇用の場合は、有給休暇が多く付与されます。月に1日取ることができる場合もあるでしょう。そのため、生理休暇として会社に対して無給の休みを取らなくても済むのかもしれません。

しかし、自分で判断したのではなく、何だか恥ずかしい、などとして生理休暇を取得できないという理由から生理休暇の取得率が低くなっている可能性も高いのです。生理休暇の制度設計を構築しようとしている場合、こうした心理的な問題を考慮する必要があるといえましょう。

他方、生理休暇が必要ならば、女性は積極的に取っていかなければ、必要のない休暇と会社側から判断されてしまう場合もあるからです。多くの女性従業員が生理休暇を取得することによって、休暇の必要性が表面化することで、制度の充実が図られる可能性も高まります。

また、権利を濫用されているような場合にも、目を向ける必要があるでしょう。本来必要がない、必要以上に生理休暇を取得する従業員がいれば、他の従業員に対して不平等感が生じてしまい、職場全体の士気に関わることになってしまうためです。
 

まとめ

生理休暇は、日本において女性労働者が勝ち取った権利のひとつです。こうしたことから、権利として会社に主張することは悪いことではありません。仕事ができないくらいつらい状態のときは、積極的に取得したいものです。

もっとも、生理休暇の手続きや有給にすることなどは、会社独自の制度として決めることができます。男女の労働者間、女性労働者間の不平等感などを加味しながら、制度設計していくことが好ましいといえるのではないでしょうか。