近年、大企業だけでなく中小企業やスタートアップ企業でも導入が進んでいるオフィスのフリーアドレス。

オフィス内の自由(フリー)な場所(アドレス)で仕事ができる柔軟な働き方で、生産性向上などが期待される働き方です。

導入を検討している企業は「どんなメリットがあるのだろう?」「そもそも自社は向いているのか?」というのが気になるところだと思います。

本記事では、フリーアドレスのメリット・デメリットから、どんな企業が向いているのかを検証してみます!

 

フリーアドレスとは

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「フリーアドレス」とは、オフィスで仕事をするための固定席を持たずに、自由な席を選択して業務をすることができるシステムです。

オフィスフロアに長机や4名・6名掛けテーブルなどと椅子が配置されており、社員は自分のノートパソコンを持って好きな席で仕事を行います。カフェのように空いている席を選ぶことができるため、集中したい時間は1人掛けの席、ミーティングをしたい時は円形テーブルなど、目的に合わせて席を選択することができます。

仕切られていないオープンな環境のため、コミュニケーションの活性化が期待できます。
 

フリーアドレスを導入している企業の事例

本社移転などをきっかけにしてフリーアドレス制度を導入する企業が増えています。

カルビーはフリーアドレス制度導入に成功した企業として知られており、ワンフロアに部署問わずさまざまな職種の社員が働いています。また、Yahoo!、キューピー、日本IBM、コクヨ、NTTドコモなどもフリーアドレスを導入。

集中スペースやミーティングブースなどを設けたり、畳スペースやハンモックなどリラックスして働けるスペースを作ったりするなど、企業ごとの工夫がみられます。
 

ナレッジワークとは

フリーアドレスが普及している背景として、付加価値や価値創造をもたらす「ナレッジワーク」という働き方が推進されていることが挙げられます。

ナレッジワークとは、直訳すると「知的労働」。

従来、労働者(社員)は企業に対して労働力を提供することが求められていました。ところが近年は、その人が持っている知識・知恵・経験・ノウハウなどを活かして、自社の商品やサービスに付加価値をつけたり、他の社員へ共有して組織全体を底上げしたりすることが求められています。

フリーアドレス制度は、そのようなナレッジワーカーたちがコミュニケーションをし、新しい価値やアイデアを生むために非常に効果的なのです。
 

フリーアドレス:管理側のメリット

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スペースの有効活用

外出が多い部署ではオフィスでの在席率が低くなってしまい、そのぶんのスペースがもったいないということが起こっていました。

フリーアドレスは空いている席で仕事をするため無駄な席やスペースがなくなり、空間を有効的に活用することができるのです。
 

コラボレーション事業の活性化

他部署の社員との接点が増えるため、部署を超えたコラボレーション事業の発想が生まれ、同じフロアで仕事ができることで実施や運用もスムーズにいきます。
 

セキュリティ意識の向上

固定席を持つと紙ベースの情報を机に置きっぱなしになってしまい、重要書類や顧客情報などの大事な情報の扱いが雑になってしまいます。

フリーアドレスは自席を持たないため「重要な書類はきちんと保管する」「紙ベースの管理ではなく、クラウド上で保管する」などのセキュリティレベルが向上します。
 

フリーアドレス:管理側のデメリット

マネジメントしにくい

社員数が多いほどどこに誰がいるのか分からなくなってしまうため、部下がどこで何をしているのかを管理しきれないということが起こります。

スケジュールや進捗の情報共有ができる基盤を整えていなければ、管理者にとってストレスになってしまうでしょう。
 

所属意識の希薄

それまでは固定席で安心して仕事ができていたのが、フリーアドレスを導入することで「オフィス内に自分の場所がない」という意識になってしまう社員もいます。

その結果、集団意識や所属意識が薄れてしまう事態にも陥ることがあります。
 

紙ベースの管理ができない

それまで大量の資料や書類で業務を進めていた企業は、ペーパーレス化に対応できません。

しかし、フリーアドレス制度では大量の紙を持って移動するのは困難で、保管場所の確保も難しくなってしまいます。「紙ベースの管理に慣れている」「紙ベースでなければ管理ができない」という企業にとっては、フリーアドレスは失敗してしまうでしょう。
 

フリーアドレス:オフィスで働く人のメリット

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他部署の社員と交流が持てる

部署や役職の垣根を超えてコミュニケーションを図れるため、仕事のアイデアやアドバイスなども新しい視点でもらうことができます。

また、営業職が吸い上げた顧客の要望や、カスタマーサクセスに届いた顧客の声を、すぐにエンジニアや商品開発などに伝えることで商品やサービスの改善もスピーディーになり顧客満足度も向上します。
 

生産性アップ

常に新鮮な気持ちで仕事ができたり、お気に入りの席で落ち着いて業務ができたりすることは、作業効率を促して生産性のアップにも繋がります。
 

整理整頓の習慣がつく

自席を持っていると書類や備品を置きっぱなしにするなど、ついつい気が緩んでしまうものです。

しかし毎日違う席で働くフリーアドレスではそのようなことはできないため、自然と自分のものを片付ける習慣が身につくでしょう。
 

フリーアドレス:オフィスで働く人のデメリット

集中したいときには向いていない

オープンなスペースのため、隣に仲のいい人が座ってしまうと雑談をしてしまって仕事に集中できないということも起こります。人によっては「場所が変わると集中できない」という人もいるでしょう。
 

誰がどこにいるかが分からない

固定席では用事があればすぐにその人の席に行って話をすることができますが、フリーアドレスの席では、誰がどこに座っているのかが分からずに、探し回る時間が発生して効率が悪くなってしまいます。
 

収納スペースがない

ペーパーレス化が進んでも、どうしても紙ベースの資料や名刺などは増えてしまうものです。

また、持ち帰ることができない自分用の社内備品などの保管場所も必要。フリーアドレスで個別の収納スペースなどを確保できていない場合、社員にとってはストレスになってしまいます。
 

フリーアドレスに向いている企業、向いていない企業

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以上のメリットやデメリットから、どのような企業がフリーアドレスに向いているのかを検証してみました。

【向いている企業】

  • 在席率が低い企業
  • クラウド化やモバイルワークが進んでいる企業
  • 部署や役職を超えたコミュニケーションを推進したい企業

【向いていない企業】

  • 紙ベースの情報管理がメインの企業
  • 特定のパソコンからしかアクセスできない情報を扱う企業
  • デスクトップパソコンをメインで使っている企業
  • 電話応対が多い企業
     

まとめ

柔軟な働き方として導入が進んでいるオフィスのフリーアドレス制度は、うまく活用できると生産性が向上したり新しい価値が生まれたりするなどの効果が期待できます。

自社が求めている働き方やビジョンを考え直し、フリーアドレス導入によって課題を解決できるかを、社員一丸で一度考えてみてもいいですね。