育休を取る男性は少しずつ増加している!

昨今、家事や育児を主体的に行なう男性が少しずつ増えてきました。厚生労働省の統計 によると、2018年度の男性の育休取得率は6.16%と過去最高を記録。他の先進国と比べると日本は大きな遅れがあるものの、家事や育児は女が行い、仕事は男が行うという固定観念が、社会全体で少しずつ変わり始めているようです。

育休を取りたい、子育てにしっかり参加したいと思う男性が増えてきている一方で、実際にはどうやったら育休を取れるのか、取ったらどんなことが想定されるのか、分からない方も多いのではないでしょうか。今回は、男性が育休を取得する際の条件や、メリット・デメリットについてお伝えいたします。

男性の育休制度は法律で定められている!

まず、育児休業制度というのは育児・介護休業法に定められています。
この、『育児・介護休業法』という法律では、育児休業制度はどのように記載されているのでしょうか。

○ この法律の「育児休業」をすることができるのは、原則として1歳に満たない子を養育する男女労働者です。
○ 日々雇い入れられる者は除かれます。
○ 期間を定めて雇用される者は、次のいずれにも該当すれば育児休業をすることができます。
① 同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
② 子が1歳6か月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間
が満了することが明らかでないこと
○ 労使協定で定められた一定の労働者も育児休業をすることはできません。

出典:育児・介護休業法のあらまし|厚生労働省

これは、育児休業制度についてよく聞く「1年間取得できる」と言われるのは、ここできちんと決まりがあるからですね。

重要なのは、この『育児・介護休業法』が「父親・母親いずれも育児休業制度を利用することができる」と定めていることです。

多くのご夫婦で、母親が産後休業とつなげて育児休業を取られているかと思いますが、もちろん産後休業のあとは、父親が育児休業を取ることもできるのです。

メリットは?

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さて、では父親が育児休業を取得するメリットはなんでしょうか。

・父親一人でも子どものお世話ができるようになる
育児休業を取得すると子どもと一緒に過ごす時間が増えるので、子どもの世話を見る時間が増えます。すると、必然的に子どもの世話の方法を学ぶことになりますよね。子どもを育てるのは非常に大変で、デリケートな仕事です。「おむつってどう変えたらいいの?」「ミルクってどう作るの?」ということも、自分で実際に体験できるので、育児休業が終わった後でも、母親に全てを任せずに、しっかりと子どものお世話ができるようになります。

・子育て中の同僚や上司、部下の理解が深まる
自分自身が乳児の世話をした経験から、育休をこれから取得する、また子育て中の同僚や上司、部下への理解度が格段に上がります。男性社員が子育てを本当に理解して協力してくれる職場なら、女性社員も出産・育児と仕事を両立するために、職場で相談をしたり協力を仰ぎやすくなり、ワーママがキャリアを続けられるのではないでしょうか。他の男性も育休を取りやすくなり、好循環が生まれるでしょう。

・育児の大変さを夫婦で共有できる
父親が育児に関わることによって、育児の大変さというのを痛感することになるでしょう。ずっと母親に任せきりの父親が「俺は1日中仕事してるのに、お前はずっと家にいて、可愛い子どもの世話を見ていられていいよな」と思うかもしれません。

しかし、一緒に育児を経験した後であれば、必ず感じ方は変わるでしょう。もし母親が育休を延長したり、父親が育休を早めに切り上げたりしても決してそんなふうには思わないでしょうし。もし共働きになったときには、お互い「育児」の大変さは身にしみているので、2人で「育児」と「家事」そして「仕事」の両立を考え、支え合うことができるようになるのではないでしょうか。

育児というのは、経験してみなければわからない大変さが多く、これまでの男性社会で軽んじられてきた重労働です。今後は育児のことをしっかり理解し、二人で支え合いながら前進していくという形の夫婦が増えることで、少しずつ世間も変わっていくのではないでしょうか。

デメリットは?

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では、逆にデメリットはなんでしょうか?

・一時的に収入が減ってしまう
まず、最大のデメリットがお金のことでしょう。育児休業中は基本的に、会社からの賃金は出ませんので、その収入源を「育児休業給付金」に頼ることになります。ここでは「育児休業給付金」についてお伝えしましょう。

育児休業給付金の支給額は、支給対象期間(1か月)当たり、原則として休業開始時賃金日額×支給日数の67%(育児休業の開始から6か月経過後は50%)相当額となっています。

出典:ハローワークインターネットサービス(育児休業給付、概要ページ)

ですから、普段の給料の67%のお金で生活を続けなくてはなりません。自分の家計を見直してみると、かなり厳しいと思われる方が多いのではないでしょうか。ですから、もし育児休業を取得しようと考えているのであれば、予め貯金額を見ておくことも重要です。

・昇進やキャリアアップへの不安
これは男女ともにあることですが、育休に対する理解が少ない会社もいまだ多く存在します。特に男性の育児休業は「前例がない」という理由で受け入れられない、嫌な顔をされるということもあるでしょう。

また、そこから派生して「出世できなくなるのではないか」「育休明けには、責任ある仕事を任せてもらえなくなるのではないか」という不安を抱く方も多くいます。今の日本が「育児をしづらい国」から脱却するには、まずこの風習を直さなくてはならないのかもしれません。

取得する条件は?

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さて、では男性が育児休業を取得する際の条件についてお伝えしましょう。
先述したように「育児・介護休業法」というのは、父親、母親ともに育児休業を認めていますので、諸条件は同じです。

ただし、育児休業を開始できる日と、特例があるのでそれだけは押さえておきましょう。また、父親の育児休業はその特例と、もう1つ種類があります。それが「パパ休暇」と呼ばれるもので、母親の出産後、8週間以内に父親が育休を取得し、かつ8週間以内に育休が終わっている場合、期間内であればもう一度父親が育児休業を取得できるというものがあります。

このあたりについては、どんなふうに育休を取るのが自分たちに最適なのか、2人でよく話し合って決めるのが良いでしょう。

いつから取れる?

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女性には「産前産後休業」というものがあり、産前は6週間、産後は8週間(産後6週間を経過した女性が請求し、医師も認めた場合は6週間)の休みを取ることができます。その8週間経過後に、育児休業へと入ります。

しかし男性は「産後休業」がないため、育休を男性が取得する場合は、子どもが生まれた直後から、ということになります。

また、特例としてパパ・ママ育休プラスという制度もあります。これは、父親、母親がともに育児休業を取得する場合、育児休業取得可能な期間が伸びるというものです。あくまでも「取得可能な期間」が伸びるということで、「育児休業の最大日数」が伸びるわけではないので、注意してください。

○ 両親ともに育児休業する場合で、次のいずれにも該当する場合には、育児休業の対象となる子の年齢が、原則1歳に満たない子から原則1歳2か月に満たない子に延長されます。
① 育児休業を取得しようとする労働者(以下「本人」)の配偶者が、子の1歳に達する日(1歳の誕生日の前日)以前において育児休業をしていること
② 本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること
③ 本人の育児休業開始予定日が、配偶者がしている育児休業の初日以降であること

○ 育児休業が取得できる期間(出産した女性の場合は、出生日以後の産前・産後休業期間を含む。)は、これまでどおり1年間です。

出典:育児・介護休業法のあらまし|厚生労働省

つまり、両親ともに育児休業を取る場合は、子どもが1歳になるまでではなく、1歳2ヶ月になるまで育児休業取得可能期間が伸びるということです。もちろん会社のことは気になるとは思いますが、せっかく子どもが小さいうちに一緒にいられる時間を取れるのですから、利用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

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まだまだ男性の育休は珍しいもの扱いされてしまいがちですが、少子高齢化社会で生産年齢人口が大きく減少していく日本社会では、できるだけ多くの女性が子育てをしながら働き続けられることが必要不可欠です。そのためには女性が職場進出するだけでなく、男性が家庭進出し、父親と母親が仕事と家庭を共有し合い、協力し合う、新しいパートナーシップのあり方が求められるでしょう。

慢性的な人手不足により、企業側としても男性の育休を認め、多様な働き方、多様な人材を受け入れられる組織は徐々に増えてきています。

何より、産まれたばかりの自分の子どもと一緒に過ごせる時間は、何よりもかけがえのないものです。あっという間に大きくなってしまう子どもの成長を、夫婦で共に見守っていくことができたら、何よりもの幸せではないでしょうか。様々な生き方が認められていく時代に差し掛かっています。これまでの概念にとらわれず、家族と自分のことを中心にして、ぜひ男性の皆様も育休取得を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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