働き方が多様化している現代では、正社員でも短時間勤務や在宅勤務をしている人、正社員ではなくパートや派遣社員で働いている人など、それぞれのライフスタイルに合わせた働き方をして活躍している女性がたくさんいます。そんな中で気になるのが「働いている女性は平均的にどのくらいの収入を得ているのだろう?」ということ。
今回は、女性の平均年収について調査してみました!
女性の平均年収〜最新データ
最初に、女性全体の平均年収はどのくらいなのかをリサーチしてみましょう。注意点として、首都圏と地方によって最低賃金が違いますし、正規雇用・非正規雇用でも給与形態が異なります。更に、職種や役職によっては手当があったりもしますよね。そのため、パーフェクトなデータはなかなか難しいのですが、ご自身の立場や今後のキャリアなどの参考にしてみてくださいね。
まずは、国税庁による「平成30年分民間給与実態統計調査」から見てみましょう。これは、源泉徴収義務者(民間の事業所に限る)に勤務している給与所得者を対象とした調査で、標本として抽出された21,176所の事業所に勤めている330,113人の給与所得者が対象となっています。この調査結果によると、平成30年の「1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与」は、女性で293.1万円となっており、平成28年の279.7万円、平成29年の287.0万円から上昇傾向にあることが分かりました。
ちなみに、男性の平均年収は545.0万円であるため、男女間で251.9万円の開きがありました。また、女性のうち正規雇用者は386.0万円、非正規雇用者は154.1万円でした。
更に別の調査結果を見てみましょう。次に参考にするのが、パーソルキャリア株式会社が実施した、2018年9月~2019年8月の1年間に転職サイトdodaのエージェントサービスに登録したユーザーのうち正社員として働いている人を対象にした調査です。この調査によると、2019年の女性の平均年収は345万円。こちらの調査では、2017年の351万円、2018年の348万円から減少傾向となっています。
20代女性の平均年収
20代の女性は、大学を卒業して新卒入社した企業でバリバリと頑張っている時期。中には、20代半ばから後半にかけて結婚や出産を経験する人もいるでしょう。転職サイトdodaのエージェントサービスに登録した正社員を対象にした調査結果で見てみると、2019年の20代女性の平均年収は319万円という結果になっています。まだまだキャリアを積んでいる途中なので、女性全体の年収と比べても低めの傾向にあるようですね。
ちなみに、同調査の職種別平均年収ランキングを見てみると、上位5位は
- 専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人) 475 万円
- 企画/管理系 391 万円
- 技術系(電気/電子/機械) 383 万円
- 営業系 375 万円
- 技術系(IT/通信) 373 万円
更に業種別で見てみると
- 総合商社 370 万円
- メーカー 370 万円
- IT/通信 368 万円
- 金融 366 万円
- 建設/プラント/不動産 364 万円
という結果になっています。これは女性のみの年収額ではありませんが、女性もこのような職種や業種であれば、平均年収よりも高い金額を目指せるでしょう。
30代女性の平均年収
それでは、次に30代女性の平均年収について確認してみましょう。多くの30代の女性は結婚や出産を経験し、中には家庭に専念するために退職したり勤務体系を変えたりする人もいます。先ほどと同様に、正社員を対象にしたdodaの調査結果を基にしているのでパート勤務や派遣社員は該当しませんが、30代の女性の平均年収は382万円となっています。社会に出てから10年以上経っているためキャリアや経験を積んでいる人が多く、新卒から働いている会社で昇進や昇給をしたり、キャリアアップのために転職したりする人もいるので20代の頃からアップしているのでしょう。
また、職種別では
- 専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人) 608 万円
- 企画/管理系 516 万円
- 技術系(IT/通信) 509 万円
- 技術系(電気/電子/機械) 498 万円
- 営業系 497 万円
業種別では
- 金融 519 万円
- 総合商社 495 万円
- IT/通信 492 万円
- メーカー 476 万円
- 建設/プラント/不動産 447 万円
という結果になっています。20代の調査同様に女性だけでなく男性の調査結果も含まれていますが、年収アップを目指して転職する際の参考にしてみてくださいね。
40代女性の平均年収
40代の女性は子育てが一段落した人が多く、仕事に対して再び活力をもって取り組み始める人も多い世代です。40代はキャリアも着実に積んでおり、役職に就いたり良い条件で転職できたりする人も多いでしょう。そんな40代女性の平均年収を、前項と同様にdodaの調査結果から見てみると、413万円という金額になっています。20代・30代の頃から上昇しているだけでなく、年収400万円を超えているという点がポイントですね。
先ほどと同様に、男女の職種別の平均年収は
- 専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人) 635 万円
- 企画/管理系 618 万円
- 技術系(IT/通信) 605 万円
- 技術系(電気/電子/機械) 573 万円
- 営業系 572 万円
業種別では
- 金融 519 万円
- 総合商社 495 万円
- IT/通信 492 万円
- メーカー 476 万円
- 建設/プラント/不動産 447 万円
という結果になっているため、40代で転職を検討している場合の参考にしてくださいね。
女性の平均年収が変動する原因
女性には出産や育児などのライフイベントがあり、必ずしも全ての女性がそのライフイベントを乗り越えて職場復帰を果たすことができるとは限りません。家庭を優先するために、育休を延長する人や育児短時間勤務で働く人もいますが、正社員を退職してパート勤務で働ける会社に転職したり、専業主婦になったりする人も多くいます。
また、まだまだ男性主体のビジネスの世界では、女性が管理職になることが少なく、役職者の女性が少ないということも事実。もちろん、企業によっては女性の活躍をサポート体制が充実し、年齢を重ねるごとに昇給する女性も少なくありません。このような社会や制度の中で、女性の平均年収は年齢やライフステージによって変動してしまうだけでなく、上位と下位の差も開いてしまうのです。
まとめ
今回は女性の平均年収についてご理解いただけたかと思います。今の年収に満足している人も不満を感じている人も、これからのキャリアを分析し、年収も含めて自分らしく働ける環境や勤務形態などを見直してみてくださいね。