キャリアに一貫性がないことはデメリットになる…そう考える人は多いかもしれません。でも「思い」に一貫性があれば職種や業種なんて些細なこと、と思わせてくれたのが、今回ご登場の福田栄子さん。アーティスト活動から大企業の事務職を含め複数回の転職ののち、現在はフルリモートのスタートアップベンチャーで働きながらアーティスト活動を再開された福田さんのエネルギッシュな生き方には、学びたいことがいっぱいです。

Mentor's Profile‌‌
福田栄子さん
‌‌スタートアップ勤務 × 音楽アーティスト
東京都出身。幼い頃から合唱やボーカルグループなど音楽に親しみ、大学卒業後はイベント業界で仕事をしながら音楽活動。25歳で大手通信会社の契約社員として中途入社し、28歳で結婚、29歳で出産を経て31歳で転職。以降複数回の転職を経て、現在はスタートアップベンチャーでフルリモートで時短勤務で働きながら、ゆるやかに音楽活動も再開し、2020年2月にシングルをリリース。

自由なアーティスト活動から、大手通信会社契約社員への転身

――大学卒業後、就職をせずに音楽活動をされていたんですね。

中高大と一貫校で育ったのですが、合唱やボーカルグループなどの音楽活動のほか、学級員や学生自治会などの活動も積極的にやっていたタイプでした。‌‌でも、就活の時期に心身とも体調を崩してしまったこともあり、内定をいただいていたところをお断りしたんですね。‌‌どうせいわゆる真っ当な就職ができないのなら、一度ゼロベースで自分がやってみたいことを選んでみようと思い、イベント業界で仕事をしながら音楽を中心とした表現活動をする道を選びました。

――そこから大手通信会社への就職というのは、どんなきっかけがあったのですか?

25歳の頃、自分がアーティストとしてマネタイズしていくには不向きだと感じるようになったんです。そのときはちょうど各所からのお声がけが重なり3つの選択肢がありました。ひとつはボイストレーナー、それからイベンターとして運営側に回ること。3つ目は、当時イベント業務の延長で始めたところから順調に成績を伸ばしていた通信会社の販売応援の仕事の研修側として大手グループに就職することでした。

どの道に行こうか悩みましたが、「大きな組織で学べることの大きさ」や「社会に与えられるインパクトの大きさ」を考えて、3つ目の道を選びました。

契約社員の事務職のまま、やりたいことを存分に!

――通信会社ではどのような役割を求められたのですか?

販売応援スタッフさんの研修担当として事務職で入社しましたが、自由にやらせてくれる風土があったので、やりたいことはなんでもやらせてもらいました。営業的なことや、コンペ参加、全国出張での提案研修など、普通の「事務職」だとなかなか経験できないことをやらせてもらえたので、当時は辛いと思っていたこともありましたが、今ではとても感謝しています。

販売現場でのセールストークを作ったり、リーダーさん向け研修をしたりといった仕事から、イベントの企画、店頭CM制作まで、幅広いことを多くの方々とやれたので楽しかったです。当時は残業もそんなにうるさく規制されていませんでしたらか、終電まで働くことも少なくなかったです。

――えっ、どうやってそこまでキャリアを積み上げたんですか?

キャリアを積み上げるとかそういう視点で考えていたわけではないのですが、チームや部署としてできそうなことをどんどん提案したり動いた結果、事務職範疇をめちゃくちゃ超えていただけです(笑)‌‌バックオフィス的発想の効率化だったり、スムーズに全体業務を進めるためにと考えながら仕事をする中で、売り上げを生み出す側のアイディアやイメージが膨らむようになってきたんですよね。‌‌仲のいいチームだったので、職種や契約形態にあまりこだわる事なく、「これもできそうじゃない?」「これできたら面白くない?」と話をするうちに、営業に同行させてもらったり、アイデアを企画書に落としたり、プレゼンしたり見積もりを組んだり・・・という風に自然と裁量が広がっていった感じでした。1個新しいことにチャレンジすると、また別のお仕事を指名でいただくというようないい循環がずっと続いていましたね。‌‌当時のチームメンバーや先方担当者さんとは、転職から5年以上経った今も繋がっている人も多いです。

――最初に職務を超える提案を言い出すのには勇気が要りますよね。

多少は悩みましたが、チームの利益のために絶対言った方がいいと思っていたのでそこまで気にしていませんでした。‌‌また、目標売上を持っていない事務職が売上を立てられれば、残業代はペイできるという目算もありました。

―上司や周囲は、すんなり受け入れてくれたのでしょうか?

「事務職なのになんで?」という意見は最初は多少ありましたが、実績を出すことと、仲間とクライアントから可愛がってもらえることを大切にしていました。職種や立場はあくまでゴールに向けての役割での違いだと思っていたので、みんなで協力してゴールに向かえたらいいな、とシンプルに思っていました。結果的には、社長賞を獲ることもできましたし、「事務職だから」と殻に閉じこもったりしなくて良かったと思います。

本来のゴールから逆算すれば、取るべき行動が見えてくる

――雇用形態や担当部署を超えて働くことに、リスクやデメリットはありませんでしたか?

もちろん「言われた通りに仕事してよ」というニュアンスの人もいましたが、クライアントさんの本音を探っていると、担当者の中には必ず「実はもっと挑戦したい」と思っている人もいらっしゃいます。そういう方と本音で話せる人間関係を作ったりしながら、行動していたかもしれません。

――そのモチベーションの原動力はなんだったのでしょう?

単純に、「別にやっちゃいけないことってないよね」という気持ちと、「私たちが追いかけているゴールは本来同じだよね」っていう気持ちですかね。立場や年齢など全部を横に置いて考えたら、本来みんな求めていることは同じはずで、「お客様に喜んでもらいながら売り上げを上げること」。そこから逆算して1番良さそうなことをしたらいいじゃない、と。

フルリモートの職場で出会った、パワフルなパラレルワーカーたち

ーーそんなふうに成果を出してきた会社を辞めたきっかけは?

29歳で出産して、30歳で復帰したのですが、子供を生んでからの価値観の変化と会社の組織合併などの変化のタイミングが重なったのがきっかけです。
結婚や出産をしてみて「仕事」や「働き方」が人生に与える大きさも実感しましたし、「生きていくのって大変だなぁ、どうすれば子供が将来大きくなった時に少しでもいい世界をつくれるか」と考えるようになったんです。そのうちに外に出てみたいという気持ちになって。それ以降は人材業など「働き方」に携われるようなことを中心に、その都度、育児の状況と自分のできること、したいことを考えながら複数回転職しています。
育児や主人の仕事のサポートや副業などとの組み合わせを考えて、2年前からフルリモートの仕事にしました。

娘さんと過ごす時間を大切にしていらっしゃる福田さん

――フルリモートとなると、人間関係の組み立て方は大きく変わりそうですね。

そうですね。今の職場にはユニークなメンバーがたくさんいて、刺激されることだらけの日々です。パラレルワークをしている人も多く、なんというか「自分の人生に自分で責任を持っている、前向きで行動力がある人」が多い。そういうのはフルリモートでも感じるんです。

――いい職場に恵まれましたね。

良い「気」を出している人に触れるというのは、とても大事ですね。でも、別に職場を変えなくても、今の時代はさまざまなコミュニティもありますし、そういう場を持つことは自分次第でできるなーと思います。実際、オフの人間関係でもたくさんのいいコミュニティに出会えていますし、大切にしています。

お仕事のためのパソコンデスクとミュージシャン活動のためのキーボードが並んでいる、福田さんらしいお部屋。

自分の思い描く「ハッピーな社会」のための選択を

――そんな中、ミュージシャンとしての活動も再開されたのですね。

30歳を過ぎた頃、イベントや音楽をやっていた頃憧れていた人は今何をしているのかなぁと思ってSNSを見ていたら、とても素敵に活動を続けている方が何人もいて、その人たちに刺激を受けました。30過ぎたから、子供を産んだから、と何かを静かに諦める必要って全くないなぁ、という気持ちになりました。
それから、子連れの親も気軽に楽しめて子供たちも安心して参加できる音楽イベントを企画。信頼するミュージシャンの子がサポートを受けてくれたり、素敵な方や憧れていたミュージシャンと繋いでくれたり、満員御礼でイベントをやることができたり・・・精力的に活動しているわけではないですが、嬉しい流れが重なり続けて、シングルリリースなど形にすることもできています。

福田さんのCDジャケット!

――偶然のご縁がつながったのですね。

今の時代、直接接点がなくても、SNSなどで思いを伝えたりすることからでも、ご縁が形になることって多いと思います。
私のイベントにゲスト出ててくださったアーティストさんも、Twitter
やSNSDMでのアプローチが発端だった方も複数名いらっしゃいますし、今のフルリモートの仕事もきっかけはTwitterです。役員の方のツイートを何度か引用ツイートしているうちに、認識いただいて声をかけていただいたんです。

――思いを行動に移す力があってこそですよね。

その一歩を踏み出すにあたってのデメリットって、「自分が変な人と思われたらどうしよう」っていう程度のことじゃないですか(笑)お金も掛からないし、失うものって特にない。なので基本は即行動です。いいことだらけですよ。
あと、常々思っているのが、人に対して素敵!って思ったりありがとう!って思ったらなるべくすぐ伝えるようにしています。言わないと絶対伝わらないので、もったいないな、と。

――そういう積み重ねが今につながっているのでしょうね。

そうかもしれません。お金とかキャリアというより、単純に「好きな人に囲まれていたい」「みんなの強みを生かして良い社会をつくれたら」という気持ちですが、これからも小さなことから一歩一歩実現したいと思っています。

音楽活動をしている福田さん。お仕事やママの顔とはまた違った側面があるのが魅力的。

Clarity Mentorに登録して、このシェアサポーター(メンター)さんと直接お話してみませんか?

‌‌Clarity Mentor(クラリティ・メンター)は、キャリア女性のためのメンターマッチング・プラットフォームです。自分と似ていて、ちょっと先を行く「普通+α」な女性 = 通称「シェアサポーター」さんに、キャリアとライフイベントの両立方法についてリアルな体験談を聞けたり、こんな時どうしたらいいの!?といった不安や疑問を気軽に相談することができます。‌‌ ‌‌今回インタビューさせていただいた福田さんにも、直接お話をお伺いすることができます!‌‌福田さんのプロフィール、相談リクエストはこちらから!(※閲覧には新規登録/ログインが必要です。)