転職があたりまえとなりつつある現代ですが、転職したい、と思ってもその次にどうすればよいのか分からないという方もいるのではないでしょうか。転職はハローワークで見つけるだけではありません。今回は、転職先の探し方やその方法についてお伝えします。
 

転職の方法3つ

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転職をしようと思ったとき、まず思い浮かべるのがハローワークでしょうか。退職後などに失業保険の給付を受けながら、転職先を検索したり、係員に相談に乗ってもらったりすることもできます。しかし、近年インターネットの普及により、さまざまな転職方法が出てきています。

その方法としては、転職エージェントを利用する、転職サイトを利用する、転職サイトのスカウトを利用する、という3通りがあります。具体的にみていきましょう。
 

転職エージェントを使う場合のメリットとデメリット

転職エージェントは、転職のプロと呼ばれる人に相談し、自分に合った転職先を探してもらうことができます。

メリットは、自分で探さなくても自分の経歴や希望に応じてより適切な転職先を探してもらうことができる点です。さらに、履歴書のアドバイスや面接対策などを行ってくれるエージェントもあります。紹介してもらった転職先を面接し、しっくりこなければ辞退することも可能になっています。また、エージェントが間に入ってもらえるため、辞退や年収交渉などを代わりにしてもらうこともできるのです。

他方デメリットとしては、自分で求人を選ぶことができない点です。エージェント会社には何社から求人があります。しかし、推薦できるような経歴がない、自分より経歴などがよい人がいる場合、求人を回してもらうことができないのです。さらに交渉やアドバイスについては、エージェントの能力差が大きいというデメリットもあります。エージェントの担当者を選ぶことができないため、運が左右することも。
 

転職サイトを使って能動的に転職活動をする場合メリットとデメリット

転職サイトを利用して、能動的に転職するメリットは、自分で求人条件や会社の雰囲気を調べて応募することができる点です。転職サイトには、日々たくさんの転職案件が掲載されています。この案件を閲覧し、働いてみたいと思う会社に応募するだけです。会社側からの連絡を待ち、面接から採用に至ります。転職サイトにはあらかじめ履歴書などに必要な項目を入力しておくことができるため、わざわざ履歴書を送付しないで済むというメリットもあります。面接で履歴書などが必要な場合は、そのサイトから履歴書として印刷する機能を持つサイトもあるので、便利に利用することができるのです。

しかし、転職サイトはたくさんの人が閲覧することができるため、競争相手が多いというデメリットが挙げられます。また、応募した企業から全く連絡がない場合もあるのです。そのため、100社に応募したけれども、実際に面接してもらえた会社は数社という事態もあり得ます。さらに、エージェントの情報やアドバイスを得ることができないため、その企業の実際の雰囲気などは自分で確かめなければなりません。自由にできる反面、自分で選択しなければならないという不便さもあります。
 

転職サイトを使ってスカウトを待つ場合のメリットとデメリット

転職サイトには、スカウト機能というサービスが提供されている場合があります。これは、匿名で、個々の求職者の経歴などを企業が閲覧できる状態になっており、自社が欲しい人材を見つけた場合、スカウトをすることができるという仕組みです。

予め会社側の書類審査を通っているものといえるため、こちらが問題なければ、面接に進むことができるというメリットがあります。比較的求職者の経歴と会社が求めている人材がマッチしているため、採用されやすいのです。また、経歴などの情報を入力しておくだけでよいので、求職者は待つだけです。並行して別の転職活動をしながらスカウトを待つことができます。

もっとも、スカウトにもデメリットがあります。まず、自分自身の希望する職種や条件ではない求人からスカウトがくる場合も多いという点です。そして、採用が約束されていないという点も挙げられます。あくまでもマッチするというだけで、とりあえずオファーしておこうという企業も多いからです。オファーを受けるという人が多ければ、その中での競争になっていきます。
 

転職に必要なもの3つ

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次に転職に必要な3つについてみていきましょう。
 

履歴書

履歴書は、ご自身の顔となる書類です。書く項目はほとんど共通しています。書類選考において、この履歴書と職務経歴書を元に判断されますので、きちんと記載する必要があります。従来は紙の履歴書に手書きで記入していましたが、現代ではITの普及により、電子ファイルで作成することができるため、たくさんの企業に応募することが可能となっています。
 

職務経歴書

職務経歴書は、どんな仕事をしてきたのか詳しく記載する書類になります。履歴書の説明書になり、より詳しくご自身を表現する書類となっているのです。記載する項目はある程度共通しているものの、書式などは特に定められていないため個性を出すこともできます。逆に事務職を志望しているにも関わらず書式やフォントが統一されていない場合は、印象が悪くなってしまいますので、気をつけて作成する必要があります。
 

面接対策

会社は採用するかどうか面接をして決定します。面接では人柄から社風に合うかどうか、経歴と求めている人材の差などをみていくのです。履歴書や職務経歴書の記載の不明点やさらに突っ込んで聞きたい部分などについて聞いていく時間になっています。さらに、求職者にとっても、自分をきちんとアピールする機会やより会社のことや業務について聞くことができます。企業研究をきちんとした上で志望動機をどうするのか、どんな風に面接に臨むか、対策をしていく必要があります。
 

転職活動のタイミング2つ

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転職活動のタイミングとしては、在職中と退職後の2通りがあります。日本の企業においては、就業の空白期間があるのは望ましくないと考えられる傾向があるため、在職中にすることが推奨されます。
 

在職中に転職活動を同時並行する

在職中に転職活動をする場合、業務をこなしながらのため、企業とのやりとりや面接時間の捻出など、少ない時間を利用して行う必要が出てきます。しかし、在職しているという心の余裕のため、自分にもっとも合う転職先が見つかるまで転職しないでもよいというメリットがあるのです。転職活動をしてみて、現在働いている会社のよさに気がつけば、そのまま転職活動をやめるだめです。もっとも、無事に転職先が決まってから退職の意志を伝えるため、退職時期がはっきりしない、退職をめぐってトラブルが発生するなどのリスクはあります。
 

現在の仕事を辞めてから転職活動を始める

現在の仕事を退職してから転職活動をする場合、時間的な余裕があるため、面接はいつでもできますし、採用に至った場合、すぐに働くことができるようになります。しかし、なかなか転職先が見つからない場合、収入がない状態で生活していかなければならないというデメリットがあります。収入が優先されてしまうため、転職先に妥協してしまい、こんなはずではなかった、と経験企業が増えてしまうということも考えられます。
 

パターン別に7つ!こんな人はこの転職活動がおすすめ

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それでは、パターンに合わせて、おすすめの転職活動についてみていきましょう。
 

20代独身

20代独身は、企業が最も欲しい人材になっています。これから育てていけますし、時間的な余裕もあるためです。そのため、ご自身の時間を利用して転職サイトを利用するのがおすすめです。まだ転職に慣れていない場合も多いため、ご自身で転職サイトを利用しながらエージェントも活用するのもよいでしょう。
 

20代既婚、子供なし

20代既婚、子供なしの場合も、比較的自由な時間があるため、ポテンシャルで企業に求められる人材になり得ます。しかし、これから出産などで退職するのでは、と思われるという点が独身女性と比較して不利になります。そのため、ご自身でサイトを探しつつ、スカウトを待つのがおすすめです。
 

20代既婚、子供あり

20代既婚でも子持ちの場合、企業からは子供がいるため退職するのではないかというリスク、さらに今後2人目3人目の子供を生み、産休や育休を取るのではないかというリスクを考えるため、同じ20代ではかなり不利になります。そのため、子育て施策をきちんとしている企業を選ぶ必要があるのです。こうした細かい企業の情報については、転職エージェントがおすすめになります。
 

30代独身

30代独身の場合、今後結婚や出産などを企業が想定してしまうため、不利になりがちです。また、求職者自身も定まっていないため、ぼやけたキャリアプランになりがちでもあります。そのため、転職エージェントを利用し、ご自身の強みや面接対策などをしっかりみてもらうことをおすすめします。
 

30代既婚、子供なし

30代既婚、子供なしの場合、企業は、30代という出産年齢のため、産休や育休を想定し、転職では不利になってきます。しかし、子供がいない点は自由な時間があるという点では有利です。そのため、転職サイトを利用しながらよい求人を探していくことをおすすめします。
 

30代既婚、子供あり

30代既婚で子供がいる場合、その後のライフプランなど比較的安定しています。しかし、子供を持っている場合、急な欠勤や早退などが想定され、同じ年代でもかなり不利になることもあります。そのため、転職エージェントを利用し、子育て施策に力を入れている企業を紹介してもらう、並行して転職サイトを利用し、子育てと両立できる企業を見つけることをおすすめします。
 

40代

40代は、今まで培ってきたキャリアが重視されます。他方、定年退職まで期間が短い、管理職になっている年代のため、転職は難しくなります。転職エージェントを利用して有利な場合と不利な場合がありますので、不利な場合はスカウトを待ってみるのもおすすめです。
 

まとめ

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転職方法は複数あり、立場によってメリットもデメリットもあります。ひとつの方法にこだわらず、複数の方法を利用し、ご自身の希望にかなう転職を実現していくことがおすすめです。