社会人一年目でも転職できる?終身雇用が当たり前だった頃に比べ、転職のハードルは低くなってきています。とはいえ、社会人一年目での転職はさすがに厳しいと感じる方も多いのではないでしょうか。ですが、実際に社会人一年目で転職を成功させた人はいますし、そこにはちょっとしたコツもあるようです。この記事では、社会人一年目で転職を成功させるコツをお伝えします。
 

転職市場の現況

厚生労働省の一般職業紹介状況では、2019年6月時点での有効求人倍率や新規求人倍率は以前と変わらず高水準をキープしているようです。これは、転職を希望する人が多い一方で、同じ数だけ辞めていく人が多いことにも要因があります。

特に近年は中高年の転職が増えている傾向にあります。高い給料は求めていないが、自身の経験や技術を活かせる仕事に就きたい、と考える人が多いようです。 企業としては優秀な人材に会社を辞められてしまうのが痛手となるため、ある程度スキルを持った人材の採用をすすめるところが多くなってきました。AIによって業務効率化が進んでいるとはいえ、トラックドライバーやオペレーターなど、人間が行うべき仕事は未だに慢性的な人手不足に陥っています。

また、転職が活発になりつつあるのは、企業の募集内容にも大きく反映されてきています。「働き方改革」の影響で、リモートワークやフレックスタイムを取り入れたり、職場環境に力を入れる企業が増えて来ました。子育てがあるから辞めたい、というベテラン社員に対して、リモートワークなどの制度を取り入れることで、子育てしながらでも働ける環境づくりに努め、離職率を下げようという取り組みです。

日本全体としては、GDPの成長率は0.4%と緩やかに成長し、景気は回復傾向にあるといわれています。ですが、米中貿易摩擦や日韓関係の動向は思わしくなく、今後景気に大きく影響する何かが起こる可能性も否めません。

社会人一年目で転職が成功する人の特徴

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社会人一年目でも、転職を成功させた人は多くいます。転職に成功した人たちの特徴をまとめました。
 

学歴やスキルが高い

社会人一年目だと、多くの人は自分に充分な自信が持てていないかもしれません。新卒であれば力不足でも、これから身につければ良いと伸び代を見てもらえますが、いざ転職となると、社会人一年目ではタイミングとして充分な社会人経験が積めていないことが大半でしょう。ただし、もともと学歴やスキルがある人はその限りではありません。学生時代に学歴やスキルを充分に身につけた人であれば、自信もありますし企業からも重宝されるでしょう。
 

入社して半年以上が経過している

入社一年目での転職は、タイミングも大切です。一年目であっても、入社して半年以上が経過していれば、会社のことも業界のこともそれなりにわかってくるでしょう。会社や業界について知ったうえで転職するのであれば、企業も納得しやすいです。
 

キャリアアップよりやりがいを求めている

入社一年目での転職は、給料が下がってしまう傾向にあります。年数を経て経験を積んだ人であればキャリアアップを目的に転職する人も多いですが、社会人一年目でキャリアアップを望むのはかなり厳しいでしょう。特に女性は、ライフスタイルの変化で辞めてしまうのでは、と懸念されることもあります。やりがいを求めて転職するのだということをきちんと伝えて、ライフスタイルが変化しても仕事に対する意欲はあるということを見せるとうまく転職できる確率は上がります。
 

周りの力を借りるのがうまい

社会人一年目でも転職は、何かとハードルの高いものです。そんな中でもうまく転職できている人の多くは、周りの力を借りるのがうまいようです。会社や学生時代の先輩に相談したり、転職エージェントを活用したりもしています。転職エージェントは書類作成から面接までしっかりサポートしてくれますし、親身になって相談に乗ってくれます。社会人一年目の転職者を多く見てきたという経験値も持っているので、力を借りると良いでしょう。
 

社会人一年目の転職をしない人がいい人の特徴

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反対に、社会人一年目で転職をしないほうが良い人の特徴をまとめました。転職したい、と思っても、自分があてはまっているものがあれば考え直してみましょう。
 

入社して間もない

入社して1〜2ヶ月で転職したい、と動く人もいますが、入社して間もない時期の転職はおすすめできません。転職先の企業から「忍耐力がない」とみなされたり、自社で採用したとしてもすぐに辞められてしまうのではないか、と思われたりしてしまいます。企業側としても採用したところですぐに辞められてしまっては、また新しく人材を確保しなければならないので、そこに労力をかけないためにも採用は慎重に行っています。万が一転職に成功したとしても、履歴書には数カ月で転職した経緯が記されることになるので、後々の自身のキャリアにも不利になる可能性が高くなってしまいます。
 

転職理由が明確ではない

転職のハードルは下がっているとはいえ、依然として好意的に見られないことが多いのも事実です。転職理由が不明確であると、その場の勢いで転職を決めているのではないか、と思われてしまいます。明確な転職理由がない人は、本当に今転職せざるを得ない状況なのか、今一度確認してみましょう。金銭的に余裕がなく、賃金も低く生活が危うい、という状態であれば社会人一年目での転職も可能でしょう。

ですが、社会人一年目での転職理由の多くは、よくよく考えてみれば環境や人のせいにしていることも少なくありません。上司と馬が合わない、職場環境が気に入らない、職場の人間関係に馴染めそうにない、やりたい仕事と違っていた、など、理由は人によって様々ですが、本当にそれは転職しないと解決できない問題でしょうか。転職する覚悟があるのなら、思い切って自分で変える努力をしてみましょう。それでもどうしても転職したいとなれば、それは立派に明確な理由となるはずです。
 

大手志向が強い

大手志向が強く、大手企業に転職したい、と考える人もいます。大手企業に転職するのは大いに構いませんが、社会人一年目ではやはり厳しいと言わざるを得ないでしょう。確かに大手は採用枠も幅広いですし、第二新卒を採用するところも多いので、社会人一年目でも転職しやすいかもしれません。

とはいえ、再三述べているように社会人一年目での転職というのはあまり良い顔をされません。入社してすぐに辞められてしまうリスクもありますし、企業側も積極的に採用したいとは思わないでしょう。そもそも大手企業のみを探していると転職活動の幅も狭まってしまい、うまくいかないこともあります。また、大手企業に転職したからといって、必ずしも給料が上がるとは限りませんし、転職したその瞬間は上がっても、先々長く勤めていればもとの会社の方が多く収入がもらえる可能性があった、ということもあるかもしれません。今大手企業に転職するのは本当にメリットがあるのか、今一度考えてみることが大切です。
 

まとめ

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社会人一年目の転職を成功させるコツをまとめました。一般的に不利となることが多い社会人一年目での転職でも、タイミングを選んだり周りの力をうまく借りれば、転職することができます。
とはいえ、社会人一年目での転職はリスクも大きいので、本当に今転職すべきかどうか、今一度明確にしてから転職に臨むようにしましょう。