履歴書には今までの学歴や職歴・資格欄の他に、趣味や特技を書く欄があります。なぜ書かなければならないのか、何を書いたらよいのか疑問に思っているかもしれません。今回は、そんな履歴書の特技欄についてお伝えします。
 

履歴書の特技欄で人事担当者が見ているポイント

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履歴書の特技欄に書かれた事項について、人事担当者が見ているポイントは何でしょうか。それは大きく分けて3点あるといわれています。もちろん個々の人事担当者によって異なりますので、絶対ではありません。

  • 社風に合うか
  • 職種に合うか
  • 面接の際の話題にできるか
     

社風に合うか

特技欄はひとりひとり様々です。しかし、スポーツを特技としている人は、上下関係や礼儀を重んじることができる、チームプレーができる、体力がある、粘り強さがある、などという付随したチャームポイントを推測することができます。そして、社風が体育会系の場合にはマッチしているのでは、と予測することができるのです。社風が合わない場合、どんなに有用な人でも、思うように仕事ができない場合もあります。そのため、社風に合うかどうかについて人事担当者はきちんとみているのです。判断材料として特技を見ていきます。もちろん最終的な判断は面接をして実際に話を聞いて判断しています。
 

職種に合うか

その人が職種に合うかどうかについても特技で判断することもあります。例えば、人見知りをしない・初対面の人と仲良くできる、ことが特技の場合、営業職や協力して行うプロジェクトなどで力を発揮できると考えます。注意深く考えるなどという特技の場合は、失敗できない事務作業などに向いていると推察されるのです。こうして、特技を参考に募集している職種と合うかどうか判断しているのです。
 

面接の際の話題にできるか

面接の際に、志望者が緊張している場合、趣味や特技を話題に出し、緊張を和らげようとすることがあります。自分の趣味や特技の話については、緊張していても話しやすい話題です。こうして話しやすくし、本題に入っていきます。また、特技などで人柄を見る場合もあります。
 

履歴書の特技欄に書く内容のポイントと例

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履歴書の特技欄はどう書けばよいのでしょうか。特技欄は、基本的に自由に書いても問題ありません。しかし、採用担当者に印象を残したり、親しみを持ってもらうためには、思っている以上にきちんと書く必要があります。

もっとも、自分を偽る必要はありません。ご自身で本当に特技だと思っているものを記載します。面接で聞かれた場合に、きちんと答えられないとマイナスの印象を与えてしまうからです。

それでは、具体的にどう書くのがよいのか例をみていきましょう。
 

仕事に関連するもの

仕事に関連する特技としては、PCスキルがあります。事務系の仕事を希望している場合、PCのスキルは必須の能力であるものの、習得している技能が高ければ高いほど有能な人材とアピールすることができるようになります。そのため、例えば「特技としてPCスキルが挙げられます。Word、EXCEL、PowerPoint、Access、Photoshopはビジネスレベルで使用することができます。」と書けると好印象でしょう。
 

性格や人柄が伝わるもの

性格や人柄を伝える特技としては、チームプレーを必要とするスポーツなどがおすすめです。例えば、「フットサルチームのキャプテンをしており、チームをうまくまとめてリーグ戦で優勝することができました」などとすると、マネジメント能力をアピールするだけでなく、アクティブさやリーダーシップがあるという性格を伝えることができます。

他方、手芸などのハンドクラフトを特技としている場合、このように記載することができます。「アクセサリーを副業で販売するために、毎日仕事が終わってから自宅で数百個作りました。」と伝えることで、タスクに対してじっくり取り組むことができるという性格をアピールすることができるのです。
 

昔からできるもの

ずっと昔からできるもの、特技としている点をアピールすることで、継続力のアピールをすることもできます。例えば、「趣味と特技はジョギングです。学生時代からずっとジョギングを続けてきています。今でも週3日は早起きしてジョギングをしています。」などと書くことができます。

また、こんな特技もあります。「特技は、一度見た人の顔と名前を忘れないことです。研修に参加した際に数年ぶりに会った取引先の方がいました。その方の名前を覚えていたことで、大変喜ばれ、新たな取引を得ることができました。」などとアピールするのもおすすめです。
 

最近始めたもの

志望している企業において、社員で構成される部活動がある場合、その部活動に関わるスポーツを特技としてアピールすることで、企業研究をきちんとしているとアピールすることもできます。
 

履歴書の特技欄の書き方

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履歴書の特技欄の書き方についてみていきましょう。
 

項目を立てる

履歴書の特技欄は、趣味欄と同一になっている場合がほとんどです。そのため、「趣味:サッカー、特技:他者とのコミュニケーション」などと分けて書いていきます。説明がある場合、項目の下やカッコ書きを用いて記載します。

趣味と特技が同じ場合は、項目立ては不要です。しかし、どちらも当てはまるという理由についてきちんと説明を記載する必要があります。そうしないとどちらに当てはめて書いているのか、採用担当者に分からないからです。
 

特技が思い浮かばない場合

特技が思い浮かばない場合は、趣味だけでも書いておきましょう。その趣味を通して学んだことはありませんか。学んだことを特技として書くこともひとつの方法です。

また、ご家族やご友人など身近な人に聞いてみる、とよい特技を挙げられるかもしれません。まわりの人の方が客観的に見ているからです。

それでも思い浮かばない場合は、日常的な趣味でも問題ありません。掃除が趣味ならばそれでもよいのです。ただし、書き方に注意しましょう。掃除が趣味、といった場合、潔癖症で周りにも高いレベルを求め、人間関係を悪化させないだろうか、と不安材料になってしまうこともあるからです。
 

履歴書の特技欄に書かない方がいいもの

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履歴書の特技欄は、人柄を把握すること、社風に合うかどうか見極めるための判断材料になります。そのため、マイナスの印象を与えてしまうような特技などは書かないほうがよいといえるでしょう。

例えば、ギャンブルの勝率がよいなどという場合です。ギャンブルに関連する業種に就職する場合以外は、金銭感覚が異なるなどの印象を与えてしまうリスクがあります。

また、ビジネスに政治と宗教の話は禁物とされています。そのため、これらに関する特技を書かないようがよいでしょう。具体的にはデモ活動で多くの人を集めることができた、などです。
 

まとめ

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履歴書の特技欄をどう書いていいのかお分かりいただけたのではないでしょうか。まずは趣味から考え、特技といえる事項を見つけることもできます。仕事上での特技でも問題ありません。特技は、仕事においてのご自身の強みにもなります。空欄にせず、ぜひ考えてみてはいかがでしょうか。