転職を繰り返すのはデメリット?

現在日本では、空前の売り手市場と言われており、就職・転職ともに以前よりも市場が活性化してきたと言えるでしょう。転職に対しても、以前よりは流動的になったのではないかと言われています。

ですが、言われているほど社会は本当に流動的で、多様な働き方を認めるようになってきているのでしょうか? こちらはやや余談ですが、たとえば厚生労働省が発表している「副業・兼業の促進に関するガイドライン」パンフレット(出典:「副業・兼業の促進に関するガイドライン」パンフレット)では、副業・兼業を「認めていない」という企業が85.3%にものぼります。政府としても人材不足に対する苦肉の策だったのでしょうか、それほど企業に対して強く副業解禁を要請する様子も見えませんし、現に8割以上の会社が副業という新しい働き方を拒否しているところを見ると、若い世代が多様な働き方を望んだとしても、日本社会全体が大きく認識を変えるということはないのではないのかもしれません。

私個人としては、副業も認め、学歴や経歴、そして勤続年数なども気にせず本人の能力をみて(性別や顔写真も非公開で良いと思います。海外のように)、決めるべきだと思うのですが、未だにそうなっていないのが今の社会です。一度レールから外れてしまうと、元に戻れない社会がまだ続いています。大学新卒で正社員に就職しなければ、そこからまた正社員の就職が難しくなったり、一度派遣社員になってしまうと、そこからの正社員にはなりづらかったり……さまざまなジレンマが働く人々を苦しめ、生産性も落としているのではないでしょうか。それを是正するために政府が動くにしても、まずはふんわりとしたガイドラインなどではなく、意識改革をすすめるべきだと私は思います。

さて、では本題に戻りましょう。実際流動的になってきたと言われる転職市場についてはどうでしょうか。今回は、転職を繰り返してしまうことのメリット、デメリットについてお伝えいたします。

まず、転職を繰り返してしまうのは、デメリットなのか否かです。大きく2つの視点に分けて考えてみましょう。1つ目の視点は「転職先の会社にとってどうなのか」ということ。2つ目の視点は「本人にとってどうなのか」という視点です。

1つ目の「転職先の会社にとってどうなのか」という視点で見てみましょう。こうなると、転職を繰り返している人というのはデメリットのほうが多くなってしまいます。もちろんその会社の採用方針や社風にもよりますが、前提として会社側はどこも「長く働いてほしい」と思っていることを頭に入れておいてください。人を採用するのには、思った以上にお金がかかるものです。求人媒体への掲載料だけではなく、1人の新人を迎え入れ、その教育のために他の社員の時間=お金を割いているのです。また、何度も短い期間でやめてしまうとそのたびに人を充足せねばならず、求人媒体に掲載する必要が出てきます。その回数が多くなると、「この会社はいつも人を募集しているな……」とユーザーに思われかねません。それでは「この会社はすぐに人が辞めるのかな?」「あんまり労働環境が良くないのかな」と思われてしまい、企業イメージをマイナスにしてしまう可能性もあります。また、社内への影響も考えられます。他の人が転職する機会には、おそらく多くの人が自分も転職について考えるもの。そうなれば、次々に転職の連鎖が起きてしまう可能性がありますよね。ですから、会社としては長く働いてもらいたいのです。そういう考えのもとで、転職を繰り返してしまっている人の経歴を見た時、「この人はうちで働いても、あまり続かないかな?」「会社に対する忠誠心はないのかな」と思われてしまうものです。

2つ目の「本人にとってどうなのか」という視点で見ると、デメリットもメリットも両方あります。いくつかのデメリットの中でも最も大きいのは、先述したように企業から「長く続かない人」だと思われてしまうことです。転職先を見つける難易度が上がってしまうかもしれません。また、ボーナスをもらいそこねてしまったり、定年まで勤めた際にもらえる退職金が少なくなったり、お金の面でもマイナスになってしまうかもしれません。ただし、これは年収の上がる転職であれば、払拭できるデメリットでもあります。生涯賃金、という見方をすれば、一時的にお金が減ったとしても増える可能性だって十分にあるからです。また、転職を繰り返すことで「逃げグセ」がついてしまっているのかもしれない、ということもできます。もちろん、世間で言う「ブラック企業」に勤めてしまい、自衛のために辞める……ということであれば、それはその限りではありません。しかし、もし自分の中で必ずしもそうではないな、と思うのであれば少し気にしてみてください。そのために、「本当に転職するべきなのか」を、自分でしっかり見極める必要があるのです。これについては、後ほど詳しくお伝えします。

 

転職のメリットは?

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さて、では転職で得られるメリットはなんでしょうか。その人が「年収アップしたい」「もっと余暇がほしい」など何かを不満に感じて転職するのであれば、それが解決されること自体が大きなメリットでしょう。
また、最近では就職活動では落とされた会社にリトライするつもりで転職活動を行う人もいます。経験を積んで、今度は中途で就活時本命だった会社に入りたいということですね。これも、後悔を残さないキャリアの積み方ですし、就活時に学生に求められる資質と、すでに社会人である中途採用で求められる資質は大きく異なります。人生に大きな後悔を残さない、というのも大きなメリットであると言えるでしょう。

また、すでにいる会社で与えられた社内での自分に対する評価を、新しくリセットすることができるというのもあります。最初によくない印象を持たれてしまうと、その後の人事評価でそれを覆すためには、評価以上のことをやらなければなりません。もちろん、すでにいる会社でそれなりに良い評価を得ていた場合は、その評価がひっくり返る可能性もあるので、ある程度の覚悟が必要です。これは、メリットにもデメリットにもなることだと言えるでしょう。

そしてよく言われるメリットですが、1つの会社の「常識」にとらわれず、様々な社風・やり方の組織で仕事をする経験を積めるというのが一番大きいかもしれません。新卒で何も社会のことを知らないまま入った会社では、すべてを「社会の常識」と思ってしまいがちです。しかし、数社経験することで、何が「会社の常識」で何が「世間の常識」なのか、区別がついてくるようになります。ですから、これは大きなメリットと言えるでしょう。

 

転職するべきかどうかの見極めは?

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最後に、転職するかどうかの見極め方についてです。正直に申し上げると、一度「転職しようかな」と考えてしまった時点で、「いや、やっぱり転職しないでこの会社で働いていこう」と思い直すことは、転職を決意するよりも難しいことかもしれません。ですが、転職を本当に決めるのは内定通知をもらったあとでもよいはずです。基本的には、法的に定められた2週間前、おそらく多くの企業が就業規則で定めている1ヶ月前までに、退職を申告するようになっています。きちんと転職先と話をしておけば、内定通知が出てから条件を比べて、本当に転職するかどうか見極めても遅くないはずです。

まずは自分の今の労働・環境条件と、新しい条件を見比べて自分がどちらに行きたいのか、しっかりと見極めることが重要なのではないでしょうか。とはいえ、内定通知を貰ってから、辞退するまではせめて2、3日くらいをめどにしておきたいので、早めに決断するために、「何を基準にして考えるのか?」「何を求める転職なのか?」を考えておきましょう。

 

まとめ

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転職は、人生においても大きな契機となるターニングポイントです。あとで後悔しないように、しっかりと「転職をするかいなか」「自分が転職を繰り返してしまうのはなぜなのか」を考えてから、転職活動を行いましょう。

 

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