ビジネスの場では、きちんとした敬語を使うことが必要最低条件として求められます。極論としては、どんなに仕事ができたとしてもビジネス敬語をきちんと使えない人は評価の対象にもならないのです。今回は、今すぐ使えるビジネス敬語のコツをご紹介します。
 

敬語の種類

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敬語といっても、3種類あるのはご存知でしょうか。この3種類を時と場所によって使い分けなくてはならないため、ビジネス敬語を難しいと感じやすいのです。その3種類とは、尊敬語・謙譲語・丁寧語です。知っている方もざっとおさらいしてみましょう。
 

尊敬語

尊敬語は、相手を尊敬して話す言葉になります。話す相手を持ち上げるのです。たとえば、相手に「そうしたいか」聞く際に、通常友人や家族には「そうする?」と聞くでしょう。これを尊敬語では「そうされます?」と聞くことになります。「どうしますか?」と聞くときにも「どうなさいますか?」、「どうされますか?」と表現します。
 

謙譲語

謙譲語は、自分を下げて話す言葉になります。自分が下がる・へりくだることで相手が相対的に上がりますよね。結果的に相手を尊敬して話すことになります。
 

尊敬語と謙譲語の違いは?

例文などをみて既にお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。尊敬語は相手が動作する場合、謙譲語は自分が動作の主体となる場合に使うのです。「どうしますか?」という場合、話している自分がどうすることを相手が求めているのか、という場合は謙譲語、相手がする場合は尊敬語を使うのです。

例:エレベーターと階段どちらを使うかたずねる場合は、相手が動作の主体になりますので、尊敬語を使います。

エレベーターと階段が利用できますが、いかがされますか?

例:訪問先への手土産を用意するかをたずねる場合、自分が用意するという動作の主体となりますので、謙譲語を使います。

訪問先へのお手土産はいかがいたしましょうか?
 

丁寧語

丁寧語は、丁寧に話す言葉になります。最も簡単な表現で、「です・ます」をつければよいというのが極論です。ただし、この丁寧語はあくまでも丁寧に話す、というだけですので、話している相手を持ち上げる要素はありません。そのため、ビジネスの場において目上の人に使用するのは不適切な場合が多くなるのです。

次に具体的な使い方や間違いやすい表現についてみていきましょう。
 

ビジネスの場で使用することの多い敬語の言い回し

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ビジネスの場で使用することが多い例文を挙げます。
 

使うことの多い表現

例:どうしますか?
(尊敬語)いかがされますか?いかがなさいますか?
(謙譲語)いかがいたしましょうか?どのようにさせていただきましょうか?

例:〇〇さんが言いますのは?
(尊敬語)〇〇様がおっしゃりますのは?

例:私が言います。
(謙譲語)私が申します。

例:知っていますか?
(尊敬語)ご存じですか?

例:知っています。
(謙譲語)存じ上げております。承知しています。

例:見ていますか?
(尊敬語)ご覧になっていますか?

例:見ています。
(謙譲語)拝見しています。

例:食べますか?
(尊敬語)召し上がりますか?

例:読みました。
(謙譲語)拝読しました。
 

メールと電話では表現が異なる

相手の会社について、尊敬語の表現として、御社とします。しかし、メールや文書などの書き言葉の場合は、貴社と表現するのです。自社の場合は、メールでも電話などの直接会話でも弊社とします。
 

自分を表現するとき

自分自身を表現する際、ビジネスの場では基本的には「私(わたし・わたくし)」になります。職種によっては、「当職」や「当方」などと表現するのが慣習になっている場合もあります。
 

ビジネスの場で使ってはいけない、間違えて使われることの多い言い回し

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ビジネスの場で間違って使いやすい言い回しなどをみていきましょう。
 

電話やメールでは自社を下げる

電話やメールなどで社外の人とやり取りすることもあるでしょう。社内では上司にあたる人は目上になりますが、社外の人を立てなければならないため、上司を立ててはいけないのです。

例:そちらに向かわせるという場合
(謙譲語)今からそちらに〇〇が参ります。
 

二重敬語に注意

相手を敬おうとするあまり敬語表現をつけてしまうことがありますが、これは二重敬語といって、却って失礼になってしまうのです。こうした間違えやすい言い回しがあるので、注意しましょう。

例:× 〇〇様がお越しになられました。
  ○ 〇〇様がお見えになりました。

例:× 今週末までに資料をお送りさせていただきます。
○ 今週末までに資料をお送りいたします。

例:× △部長様
  ○ △部長

もっとも、使っても間違いではない二重敬語も存在します。よく使われる例としては、「お召し上がりになる」、「お見えになる」、「お伺いする」などがあります。ただし、人によっては間違えでは、と思われてしまうリスクもありますので、あまり使わない方がよいでしょう。
 

よく使うフレーズで間違えやすい表現

例:
× お世話様です。
○ お世話になっております。

例:
× お久しぶりです。
× しばらくぶりです。
○ ご無沙汰しております。

例:
× お体にご自愛くださいませ。
○ ご自愛くださいませ。

例:
× お手元の資料を拝見してください。
○ お手元の資料をご覧ください。

例:
× お座りになってお待ちください。
○ おかけになってお待ちください。

例:
× そのプロジェクトは、私にとって役不足です。
○ そのプロジェクトは、私にとって力不足です。

例:
× お分かりいただけましたでしょうか?
○ ご不明な点はございませんでしょうか?
○ ご質問はありませんでしょうか。

例:
× 了解しました。
○ かしこまりました。
○ 承知しました。

例:
× なるほど
○ おっしゃるとおりだと思います。

例:
× 5000円からお預かりします。
○ 5000円頂戴します。

例:
× ご苦労様です。
○ お疲れ様です。

例:
× すみません。
○ 申し訳ございません。
○ 失礼いたしました。
 

まとめ

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ビジネス敬語は、ビジネスパーソンとして当たり前に使えることが求められる必須条件となっています。特に新入社員の場合、慣れていなくて失敗することもあるでしょう。社内の場合、新入社員だから、と大目に見てもらえるかもしれませんが、社外の場合はそうもいきません。

一冊ビジネスマナーの本を読んでみるのもいいでしょう。また、気軽に同期や友人などとクイズを出し合ったり、小話に出してみたりするのもよいでしょう。ビジネス敬語を早く身につけることをおすすめします。